2023-24 第34節 vsウォルバー・ハンプトン

「そのコース見えてたよ」がちょいださ

現地時間4月20日、アーセナルは相手の本拠地モリニュー・スタジアムにてウォルバー・ハンプトンと対戦した。

アーセナルは公式戦3試合勝ちがない。ビラに痛い敗戦を喫し、バイエルンに負けてCLリタイアと、といい知らせのない失意の1週間を送っている。

シティはFAカップの準決勝でこの週末は試合がなく、リバプールは翌日に試合を控えている。アーセナルは勝利を挙げて、2チームにプレッシャーをかけたいところ。そしてこの嫌な流れをなんとか断ち切って、プレミアリーグ優勝の可能性をつなげたい。

とはいえウルヴスも上位相手とはいえ、そう簡単には勝たせてくれない相手だ。

ざっくりマッチレビュー

ウルヴス 0-2 アーセナル

ウルヴス

アーセナル

アーセナルはビラ戦とほぼ同じイレブンを組む。左サイドバックだけキヴィオルに戻した。冨安はというと・・・バイエルン戦で打撲をしたみたいで予防措置でベンチ外・・・コンタクトだけじゃなかったんかい。予防措置ねぇ・・・

まぁそれは置いといて、あまり上手くいってない布陣をこの状況でも試すあたり、アルテタの思惑の中ではハヴァーツは8番でライスは6番なのであろう。両者ともそれぞれ一列前の方がイキイキしてそうだけど。

ウルヴスも怪我人に悩まされているようで、エースのクーニャが欠場したのはアーセナルにとって朗報だ。ベンチには15歳の選手がいるなど、苦しそうだ。15て、中3でプレミアリーグかよ。イオンのフードコートにしかいなかったわ。

試合は予想通り、アーセナルがボールを握る展開。ウルヴスがボールを持てば前からプレスをかけるのだが、この過密日程で選手たちの疲労もピークに来ている。重たい動きが目立つ。

そんな中で、大ピンチを迎えるもラヤが好セーブ。その後先制に成功する。ハヴァーツがエリア左へあげたクロスをジェズスがコントロール。キープしたボールをトロサールへ落とすと、右足を振り抜く。ボールは素晴らしいコースへとび、ゴールへ吸い込まれた。

後半はアーセナルペースで試合が進むが、追加点が遠く、心許ない展開が続く。しかし後半ロスタイム、カウンターでライスのパスを受けたハヴァーツ、その裏を回っていたウーデゴールへパス。ウーは中へ折り返すがDFに当たる。その跳ね返りをそのままゴールに蹴り込んだ。

頼れるキャプテンの得点で、アーセナルは公式戦4試合ぶりの勝利を挙げた。

シュートが上手い人、苦手な人

ここまで公式戦2試合無得点のアーセナル。特にビラ戦でも、チャンスをものにできなくて自滅していくというのがアーセナルの敗北のパターンになっている。

この試合でも、序盤からハヴァーツやライスなどがチャンスを迎えるが、ゴールが遠い。しかし現在「アーセナルで一番シュートが上手い男」が待望の先制点を決める。

ジェズスの粘りから生まれたトロサールのゴール。スペースもなく、ワンステップで、さらにトーキックでアウトに回転をかけたかなり難易度の高いシュート。これをしっかり枠に収めるのがレアンドロ・トロサールなのよ。

CLのポルト戦やバイエルン戦でもチームを救ったトロサール。この必殺仕事人がいなければ、この4月はもっと悲惨なものだったかもしれない。今アーセナルの他のアタッカーの決定力が悲しいだけに・・・

トロサールのゴールをお膳立てしたジェズス。バイエルン戦に引き続き、この9→19のホットラインが発動したわけだが、欲を言えばジェズスさん・・・一番点欲しいのはあなただよねー。

元々シティ時代からシュートが苦手な感じだったけど、にしても! リーグ戦4ゴールは寂しいな。仮にも9番を付けてるわけだし。

トロサールの決定力をちょびっとでいいからジェズスに分けてあげてほしい。それでもトロサールはシュート上手いから。まぁもうジェズスに決定力は諦めてるんだけど、それでもちょっとおかしいなと思う。で、なんとなくこれかなって思った。

ジェズスの膝について。本人もこう言ってた。

膝に慢性的に爆弾を抱えている。言われてみればアーセナル加入当初、まだアーセナルの新エースとしての将来が明るかった頃はジェズスの長所の一つに高いキープ力があった。屈強なプレミアリーグのDF相手にも体で負けないフィジカルの強さがあった。

マンチェスター・UのDF、リサンドロ・マルティネスも「ジェズスとの対戦はハードだった」とコメントしている。

しかし、最近は踏ん張れないシーンが目立つ。この試合のトロサールのゴールの前のキープは見事だが持続性がない。膝の痛みが影響しているのだろうか、そうなるとシュート時にもこの膝の問題がジェズスの得点力不足の原因になっている可能性は十分にある。

この膝の問題に短期的な解決は期待できない。今後ジェズスのポジションは少しゴールから遠く、現状の強みを活かせる適正なポジションを模索するべきか・・・

ラヤに救われた試合

現地ではダビド・ラヤではなくラムズデールをスタメンに戻す声がもうかれこれ半年以上続いている。自分もそうだった。下手したら今もそこまで愛着がない。

先日のポルト戦のPKストップでその懐疑的な声は徐々に減りつつある。そして、この試合でもラヤは素晴らしいパフォーマンスを見せた。圧巻だったのは、トロサールのゴールが決まる少し前のこと。

ガブリエルのクリアを処理し損ねたキヴィオル(この人最近まずいな)からボールを奪取したジョー・ゴメス。そのままゴール方向へ進みシュートを放つも、ラヤが挙げた両手に当たりボールはポストに弾かれる。

悪い流れが続いていたアーセナルにとってこのセーブは結果的にターニングポイントになった。それ以外のパフォーマンスも安定していて、特にハイボールの処理とクロス対応は光っていた。

序盤は特にこの辺のミスが目立ち、レンタル移籍もあるのかサポーターからの人気もイマイチ。感情を爆発させるラムズデールに対して、ちょっとお顔もナヨってしてるのもあるのかな笑

この試合では、ウーデゴールの2点目が決まった時、ラヤはCBのガブリエルとサリバと一緒に抱き合い、チームの勝利を確信していた。これまであまり見られなかった光景だけに、ラヤがここに来てチームに溶け込んできたのはかなりエモい。

それでもまだミスは目立ちます! 来季もほぼ確実にアーセナルにいるであろうラヤ。サポーターからの確固たる信頼は勝ち取れるんでしょうか。

予備タンクを持っていたライス

前述したように、アーセナルの選手たちの疲労は限界を迎えつつある。ライスもここまでほぼ全ての試合に出場し、アーセナルの躍進に貢献している。しかし、やはり疲労には勝てない部分もあり、明らかに体の重さは見える。

でもライスは桁外れ。ほんとすごい。200億弱の高級米。

後半80分、トーマスがジェズスと交代。トーマスがアンカーに入り、ライスが一つポジションを上げる形になった。こっからがすごかった、正味ライスも8番がいいのかもな。

80分といういっちばんしんどい時間にライスは走り回り、体力全回復したのかってぐらい相手ボールに喰らいつく。球際の強さはコンディション抜群の時のライスのそれだったし、攻撃でもカウンターの起点になり続けた。持ち前のキャリー能力も存分に発揮。

なんかもう、別のエンジンが起動し始めた感じ。とにかく顔出す顔出すで。

そんな甲斐あって、ライスはこの試合のMOTM、文句ないでしょう。

実際、ウーデゴールの2点目も絡んでるのはサリバ→ライス→ハヴァーツ→ウー。

試合に出ずっぱりでも、最後まで走り抜ける選手っちが報われた得点。ウーもだいぶきつそうだったけど、得点できてよかった。

交代を切れない訳

ていうところなんですよ結局。見出し変わって、急になんやねんすぎるけどそういうことなんですよ!

この過密日程故に、選手たちをうまく使い分けなきゃいけないと思う。でもね、アルテタが求めるレベルにきてねえんですよ。現在のベンチメンバーが。

それこそ、トロサールみたいにいつ出ても試合に溶け込めるのがアルテタの求めるインパクター。技術面じゃない、試合の強度に負けない選手。なぜか途中から出てきた選手が、へとへとのスタメン選手より走れないってのが結構あるから。

特に崖っぷちアカデミー三人(ネルソン、エンケティア、スミス・ロウ)はこの辺の信頼が非常に低そうですね。トーマスも本来ならスタメン級だけど長期離脱のコンディション調整がまだなんだろうと。トロサールぐらい信頼されてるはずの日本人はなんかいないしさ・・・

シーズン残り5試合、彼らは見放されてるわけではなく、必ずその力が必要になる時を信じて、最高の準備をしてほしい。

さて、最後に、この試合の実況をされていた倉敷保雄さんのツイートを紹介。

「この特別なシーズンは まだ食べきれないほどの ご馳走が並んでいる」

かぁぁぁぁぁ!!! The クラッキー!! なんておしゃれな表現をお使いになるのでしょう。本当に昔から大好きなのよ倉敷さん。倉敷語録欲しいもんな。

さぁそのご馳走たち、次の献立はチェルシー、トッテナムと続く。高カロリーで食べ応え最高じゃありませんか。チェルシー、中堅だな。でも舐めてると逆に食われるよな、今季のチェルシーは。パーマーやべぇじゃん。

優勝の可能性を広げるためには勝ち以外許されない。まずはビッグロンドンダービー。健闘を祈る。

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