現地時間4月23日、アーセナルとチェルシーのビッグロンドンダービーが行われた。会場はアーセナルのホーム、エミレーツ・スタジアム。
チェルシーは昨季に続いて今季も地獄のようなシーズンを送っており9位に甘んじている。しかし、なぜかBIG6相手になると急に実力以上のものを発揮しだし、上位陣に食らいつく中堅チームのようなムーブを続けている。
アーセナルもスタンフォード・ブリッジで行われた今季の1回目の対戦ではかなりの苦戦を強いられ、2点を先行されたがなんとかライスとトロサールのゴールで同点に追いついた。
シーズンも佳境に入り、優勝争いも予断を許さない状況でチェルシー、トッテナムとロンドンのお友達の邪魔が入る。まずはチェルシーをホームでしっかり叩いて、勢いをつけたいところ。
ざっくりマッチレビュー
アーセナル 5-0 チェルシー
アーセナル
22 | ラヤ |
2 | サリバ |
6 | ガブリエル |
4 | ホワイト ⚽️52′ ⚽️70′ |
18 | 冨安健洋 ⬇️72′ |
5 | トーマス・パーティ ⬇️72′ |
8 | ウーデゴール |
41 | ライス |
7 | サカ ⬇️82′ |
19 | トロサール ⚽️4′ ⬇️72′ |
29 | ハヴァーツ ⚽️57′ ⚽️65′ ⬇️72′ |
11 | マルティネッリ ⬆️72′ |
9 | ジェズス ⬆️72′ |
35 | ジンチェンコ ⬆️72′ |
20 | ジョルジーニョ ⬆️72′ |
21 | ファビオ・ヴィエイラ ⬆️82′ |
チェルシー
28 | ペトロビッチ |
2 | ディサシ |
5 | バディアシル |
42 | ギルクリスト ⬇️78′ |
3 | ククレジャ |
8 | エンソ・フェルナンデス ⬇️67′ |
25 | カイセド |
11 | マドゥエケ ⬇️78′ |
23 | コナー・ギャラガー |
10 | ムドリク ⬇️67′ |
15 | ニコラス・ジャクソン |
14 | チャロバー ⬆️67′ |
7 | スターリング ⬆️67′ |
6 | チアゴ・シウバ ⬆️78′ |
31 | カサデイ ⬆️78′ |
戦前の予想通り、チェルシーは現在プレミアリーグ得点王タイのパーマーが体調不良で欠場。右サイドを支えてきたギュストもいなく、アウェイチームには頭の痛いところ。
対するアーセナルは左サイドバックに冨安が復帰。そしてアンカーにはトーマスと、遂に全グーナーが待ち望んだ、トーマス、ライス、ウーデゴールの中盤が完成した。
試合開始早々の前半4分、中央左でライスがボールを運び、相手を引き付けて左のトロサールへパス。これがつながり、トロサールが左足を振り抜くと、キーパーのニアを抜きアーセナルが先制。
その後もチャンスを迎えるがハヴァーツの「古巣愛」なのか、決定機の判断を誤ると、次第にチェルシーもチャンスを迎えるようになるが得点には至らない。
後半はまたアーセナルの攻撃ターン。52分にショートコーナーの流れからライスがミドルシュートを放つと、エリア内で跳ね返ったボールにゴール前のホワイトが反応し押し込む。待望の追加点を挙げることに成功した。
これで詰まっていたケチャップがドバドバ出るようになった。57分、左サイドでボールを持ったウーデゴールがDFの裏へ抜け出すハヴァーツにパス。29番は巧みに相手をブロックしてシュート。この「恩返し弾」が決定的な3点目となった。
ハヴァーツはその後の65分にも、右サイドのサカのパスを受けると左足一閃で今季初のブレイス。70分には右サイドの連携から、ウーデゴールの浮き玉のパスにホワイトが抜け出し、ダイレクトで折り返す。しかしこれがそのままゴールに吸い込まれ、ホワイトもブレイス。
大量5得点を叩き込んでチェルシーを完膚なきまでに粉砕したアーセナルだった。
フリが効きすぎました
昨日、「アーセナルは元アーセナルにやられすぎだろ!」という記事を投稿したんだけど、セスクなりジルーなりのチェルシーにやられた時のことも紹介したわけで・・・
カイ・ハヴァーツは今季チェルシーからアーセナルに移籍した。今季序盤は順応に苦しんだが、徐々にその持ち味を発揮し始め、今ではアーセナルに欠かせない選手になった。
この試合でも真ん中のトップで先発し、ポストプレーや下りてきてのビルドアップ、守備にいつも通り貢献していた。しかし前半は決定機を二つ判断を誤り、後半も決定機を活かせず・・・と。
「チェルシーのスパイか・・?」と一度でも疑いの目を持った自分を蹴り飛ばしたいです。
左からのウーデゴールのパスを見事なトラップで収め、寄るククレジャをものともせず、相手GKを破るシュート。それはファン・ペルシーを彷彿とさせた。
さて、注目のゴール後の反応は?
2点目も今季序盤のハヴァーツからは考えられない得点。やっぱり手のひらはくるくる返すためにあるんですよ。さぁ、何も気にせず喜んだ後のセレブレーションは?
なんともどっちつかずな笑 一応気は遣ってそうな感じかな。
ライス、トロサールに続きハヴァーツも古巣弾を成功。また、自身初のプレミアリーグ二桁得点を記録した。
チェルシーはハヴァーツにCL優勝という代え難い栄光を与えた。しかし、それはもう過去のこと。ハヴァーツは純粋にフットボールを楽しみ、アーセナルでその栄光を勝ち取ろうとしている。
ご飯をたくさん食べたトーマス
ウーデゴール、ライス、そしてトーマス・パーティ。開幕前はこの三人が構成する中盤が織りなすハーモニーがどのようなものか、心を躍らせていた。
前者二人はシーズンフル稼働に対し、トーマスはシーズンの大半を怪我で棒に振ってしまった。4月に復帰を果たしても、例によってラマダンが被りコンディションは戻らなかった。
ラマダンも終わり、トーマスが遂にスタメンに戻ってきた。
その効果はすぐに現れ、アンカーとして潤滑油として攻撃を活性化させ、守備時はOctpusと揶揄されるようにタコのように絡めとる守備。ジョルジーニョにはないスピード、ライスにはない展開力を見事にカバーし、アーセナルのアンカーはまずトーマスが先発ということを改めて証明した。
目立たないところだが、例えば1点目。ハヴァーツの落としを受ける前の動き直し、落としをダイレクトでライスに預ける判断。攻撃が本当にスムーズになる。
4点目のサカへの展開も、あのパススピードだからサカにスペースを与えてあげられる。最近調子にムラのあるサカがククレジャに対して仕掛けられたのは、トーマスのパスの質も影響していた。
ここにきて、本来のトーマスが帰ってきたことはアーセナルにとって臨時の神補強だ。