アーセナル回想録(選手編#1) Part1

サッカー界最後のファンタジスタ

Once a Gooner, Always a Gooner.

この言葉が大好きでね。これまでアーセナルにはたくさんの選手が在籍し、さまざまな形で去って行った。去り際によってその後のヘイトを買ってしまう選手もいるけど、個人的にはアーセナルに貢献してくれた事実を尊重したいと考えてる。

一度アーセナルのユニフォームに袖を通してくれたのなら、その選手のキャリアは応援したい。

だから基本的に嫌いな選手がいない。17年アーセナルを応援して、色んな選手の思い出がある。この思い出は「これだからグーナーはやめられない!」を形成する大部分を占める要素です。

先日、アーセナル回想録の試合編として、2010-11チャンピオンズリーグ、バルセロナ戦の1st legを紹介させてもらった。

今回はその選手編、アーセナルの過去の選手との思い出を例によってダラダラと書いていきます。

記念すべき第一弾、これは悩むね〜。いくらなんでもファンの人気低い選手を一発目に持ってくのもあれだし、時系列順もつまんないしな。こういう困った時は家族に相談するのが一番だね。

というわけで、この人!

メスト・エジル!

エジルは歴代の選手の中でも最も思い入れのある選手の一人だし、また重たくなりそう笑

※なっちゃった。

アーセナルでのスタッツ

シーズン試合数ゴール数アシスト数
2013-1440714
2014-153259
2015-1645820
2016-17441214
2017-1835514
2018-193563
2019-202313
2020-21000
合計2544477
全公式戦スタッツ

獲得タイトル

  • FAカップ 4回(2013-14, 2014-15, 2016-17, 2019-20)
  • コミュニティ・シールド 4回(2014, 2015, 2017, 2020)

デッドラインデー最大の電撃移籍

2006年、アーセナルは新スタジアムのエミレーツ・スタジアムを建設した。その際に多くの負債を抱えることになり、これがアーセナルの移籍市場に大きな影響を与えることになる。

選手獲得に十分な資金を使えず、そのチームの強化方針に疑問を持った既存の主力選手が、メジャータイトルを求めて他チームへ移籍するという負の連鎖。

しかし2013年夏、ついに硬かった財布の紐が緩む。

兼ねてより、プレイメーカーを欲していたアーセナルはその夏の移籍市場でレアル・マドリードのアンヘル・ディ・マリアの動向を注視していた。というのも、レアルはトッテナムからおよそ1億ユーロでギャレス・ベイルを獲得。これは当時の移籍金史上最高額である。

このベイル資金を捻出するために、ディ・マリアが放出されるのではないかという報道が目立つようになり、移籍市場の締切日まで持ちきりだった。

僕も「明日朝起きたら・・・ディ・マリアがいるんだ!!」とクリスマスプレゼントを楽しみにする子どもの気持ちだった。

迎えた9月2日日本時間朝、起きて速攻でスマホをチェック・・・するとそこに写っていたのは・・・

えええええええええ、エジルぅぅぅ!?!?!?

あまりにも予想外なデッドラインデーの衝撃。これだけのインパクトを残したのはこのエジル獲得劇で最後だ。どう考えてもビッグネームの獲得なのに、完全にディ・マリアの口になっていた自分は正しい感情を見失っていた。

何はともあれ、アーセナルは当時のクラブ市場最高額4700万ユーロでメスト・エジルを獲得。

それから12日後、2010年代アーセナル最高のファンタジスタがデビューを飾る。

”あの選手”が怒り心頭

エジルのクオリティは言うまでもない。2010年の南アフリカW杯ではドイツの3位フィニッシュに大きく貢献。その活躍からすぐ後にブレーメンからレアルへ移籍。すぐに主力として活躍した。

しかしベイル獲得の憂き目に遭うのは、ディ・マリアではなくエジルだったようだ。

移籍直後のインタビューで、レアルからの信頼がないことを明かしていた。

これに怒りの声をあげたのが、あのクリスティアーノ・ロナウドだ。

最悪のニュースだ。僕のゴール前での動きを一番良く分かってくれている選手だった

Cristiano Ronaldo on AS

それもそのはず、エジルはロナウドのゴールを31回アシストしている。これより多いのはベイル(32回)とベンゼマ(47回)のみだが、エジルはわずか3シーズンのみでその数字を叩き出している。

クオリティ・オブ・レアルマドリー

エジル獲得から、デビューまでの12日間はあまりにも長い時間だった。それだけ期待の大きい選手。あのロナウドがぶち切れちゃうぐらいなんだもんよ。

そして迎えたデビュー戦の相手は、サンダーランド。エジルはトップ下でスタメンに選ばれた。

試合開始。エジルの影響力にはもう・・唖然。だってもう、すぐすごいもん(語彙バグ) 当時すでに、ウィルシャー、カソルラ、ロシツキーなどクリエイティブな選手を揃えていたが、エジルには別の世界が見えているようだった。

前半11分、左サイド自陣からギブスがロングパス。このボールに反応したエジルは、後ろから来たボールを左足でピタリと止める。”半端ない”トラップからゴール前のジルーへパス、流し込むだけのシュートを決め、アーセナル先制。早速エジルがそのクオリティを見せつけた。

その後も次々とチャンスメイクを図るも、悉くウォルコットが外す・・・ごめん、エジル・・・ロナウドなら決めてるのに・・・と申し訳なくなる。

デビュー戦を勝利で飾ると、その後もエジルを中心にアーセナルは快進撃を続け、クリスマスを首位で折り返す。その後、エジルら数名の負傷離脱が響き、アーセナルは失速。プレミアリーグの優勝は逃してしまう。

しかし、エジルはアーセナルのレベルを1ランク引き上げたと言っていいだろう。

そして不屈の精神マドリディスモ。いわゆる勝負強さというアーセナルに一番欠けていた面が改善の方向に向かったのもエジルの影響は無視できない。それを理由に、エジルを獲得したシーズンにアーセナルは悲願を成し遂げる。

アーセナルは2004-05にFAカップを優勝して以来、9シーズンもタイトルと縁がなかった。決勝へ行っても負けてしまっていた。遂にシーズン最後のFAカップ決勝戦。ハル・シティを延長戦の末に下し、念願のタイトルを手にする。

この試合のエジル・・・はあまり印象がないが、アーセナルの久方ぶりのトロフィーに大きく貢献した。

アーセナルの顔に

2015-16シーズンは彼のためのシーズンになったと言っても過言ではない。

4位を定位置としていたアーセナルが、最も優勝に近づいたのが、このシーズン。ご存知、レスター優勝の年だ。2位のアーセナルの中心は間違いなくエジルだった。

プレミアリーグだけで19アシスト。当時この記録は2002-03のアンリの20アシストに次ぐもの(現在はデ・ブライネが更新)で、チャンスメイクに至っては1年で146。これは未だに破られていない数字らしい。

中でもエジルの1年後にやってきたアレクシス・サンチェスとの連携は抜群(画像は2016-17のもの)で特筆すべきは第8節のマンチェスター・ユナイテッド戦。サンチェスの1点目をアシストし、自身もチームの2点目を記録。20分で3点を叩き込み、ユナイテッドを蹂躙した。

このシーズンでは、試合に出ればアシストを記録していたそんなイメージで、アシストマシーンとしての本領が発揮されていた。ビッグゲームでは消えがちだった印象も、マンチェスター・シティやトッテナム相手に結果を出すなど、アーセナルの顔として結果で示すようになった印象だ。

しかし、やはりこのシーズンでも失速してしまうアーセナル。もしエジルが生み出した146のチャンスをもっと決め切れていたらと、悔やまれるシーズンになった。

迫られる契約延長の二択とヴェンゲルとの別れ

エジル、サンチェスの二台巨頭は不甲斐ないアーセナルを背中で引っ張り続けた。そしてこの二人の契約は2018年の夏に満了を迎えようとしていた。

当然二人の契約延長を望むアーセナルだが、問題は二人の年俸だった。二人とも週給30万ポンドほど(約4500万円)を要求していた。これではアーセナルの給与体系が壊れる。

アーセナルはサンチェスをマンチェスターUにムヒタリアンとのトレードという形で放出し、エジルに週給35万ポンドで3年契約を延長した。

発表できて誇りに思う。ついにサインしたよ・・・アーセナルとの3年契約に!

フットボールのキャリアにおいて最も重要な決断の1つだった。

だからこそ、深く考え、僕の大切な人たちと話し合わなければいけなかった…良いことには時間がかかるものだ! 最終的には、心のままに決めたよ。いつも言っているように、ここをホームだと感じているし、今後数年で成功をつかむためのモチベーションも高い。Once a Gunner, always a Gunner!

Mesut Ozil on Twitter

この契約延長を置き土産に、ヴェンゲルは2018年で22年間座っていたアーセナルの監督席を退いた。

2016-17のFAカップを制したアーセナル。エジルは決勝のチェルシー戦で素晴らしいパフォーマンス。

皆が喜んだこの契約延長が、その後のアーセナルの大きな足枷になると気付くのはまだ先の話だった。

Part2へ・・・

ミラとリナ

エジルのゴールセレブレーションといえば、この右親指を咥えて左手にM・・・なあにこれ? メストのM? じゃあLはなに?

これは愛する姪っ子ちゃん。ミラちゃんとリナちゃんを表してるんだってー。

ミラちゃん

これを人のセレブレーション一通りパクるマンのサカがやってたね。いいシーンだった。

なんかまだ書いてないことありまくりそうだけど第一弾はここまで・・・第二段も期待しないで下さい。

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