万事休す
良い雰囲気で折り返したアーセナルだったが、後半もエバートンの堅さは崩れなかった。
そして最悪の知らせが・・・ロドリが勝ち越し弾を決め、シティがハマーズ、またアーセナルの心を折る3点目を決める。いつも邪魔をするのはこいつだよ。
もちろんピッチにいる選手に結果は知らされていないが、会場の雰囲気を選手たちも感じていただろう。
今までのアーセナルならこのどんよりとした雰囲気のまましおらしく勝ち点を落としていただろう。しかし、今年のアーセナルは強い。
後半ロスタイムに入る直前、「今季プレミア最悪の補強」と揶揄されていたハヴァーツがアーセナルの優勝の希望を繋げる逆転ゴールを挙げる。
ジェズスのハンド疑惑や、ハヴァーツのオフサイドもVARチェックで耐え、正真正銘の2−1。
そしてその頃マンチェスターではハマーズが一点差に追いついたという情報が届いた。この土壇場で最高のドラマが・・・しかしスコアは3-1のままだった。
向こうではVARによってハマーズのゴールが取り消されていたのだ。
落胆のエミレーツ、そして歓喜のエティハド。この雰囲気のまま試合終了のホイッスルは吹かれた。
ありがとう、アーセナル
勝利を上げるも、選手たちの表情に笑顔はなかった。
新加入のハヴァーツは泣いていた。
優勝を信じて戦っていたのだ。自分が見始めて17年間、こんな最終節は初めてだった。アーセナルはこれほどまでに強くなったんだ。そしてまだまだ強くなる。
正直言って、ロドリのゴールを聞いて諦めていた自分がいた。しかし、何が悲しいってこの最高だったシーズンが終わってしまうのが本当に寂しかった。こんな気分になるのは初めてだった。
試合後は例年通り、スタジアムでセレモニーが行われた。アルテタはこう述べた。
全ては皆さんが信じていたからこそ起こったんだ。忍耐強かった。
そして全ての功績は選手やスタッフのおかげだ。彼らは本当に素晴らしい。
Mikel Arteta
そうして、スタッフや選手たちに拍手を求めた。いや、アルテタもだよ。
2年前まで4位争いのチーム、その前に至ってはそれすらもできなかったチームがこんなに逞しくなった。リーグ戦ではクラブ史上最多の28勝、明らかに今までで一番強い。
来季のことは今は考えず、今は声高らかにロンドンまで聞こえるように叫びたい。
ありがとう、アーセナル