2023-24 チャンピオンズリーグ 準々決勝1st leg vs バイエルン・ミュンヘン

いざ、7年ぶりのリベンジ

バイエルンがバイエルンたる所以

ホワイトの決定機逸、アーセナル守備陣の連携トラブル。こういったミスは得てして起こりうることではあるが、よりによってこの試合で起こってしまったのが問題なのだ。

このバイエルン・ミュンヘンというチームはミスを決して見逃さない。

これは初めて対戦を観た11年前から変わらない。バイエルンの冷酷な強さの象徴だと思う。

派手さはないけど、実直に銘々のミッションを実行し、チームを勝利に導く。ゲルマン魂を体現したようなチームだ。

普段ブンデスリーガを見ることがないから、90分のプレーを見るのが初めてな選手が多かった。

一番感じたのは、バイエルンの選手たちの「ボールを失わない力」

アーセナルは前からプレスをかけるが、簡単に失わないし、その少しキープできた間でプレスの綻びを見つける。バイエルンの中盤は特に顕著だった。

個々に目を向けると、ゴレツカは攻守に効いていた。守備では危機察知能力が高く、球際も強い。ニャブリのゴールをお膳立てする前のライスの裏を取る動きは見事で、要所を把握するの力が高い。バイエルンのための選手みたいな感じ。

そのゴレツカにパスを出したサネは、シティ時代はスピードスターぐらいのイメージだったがプレーの幅が広がり、前半彼を自由にしてしまったのは大きな反省点だ。サネはアーセナル移籍の噂もあるけど、前向きに検討するべきと思ったね。

同じくアーセナル移籍の噂があるキミッヒもゴレツカ同様、抑えるべきところに必ずいるし、基礎的な技術が超高い。

次世代のスターとして名高いムシアラ。絶妙なポジショニングが本当にいやらしくて、ライスでも捕まえにくい、相当「ウザい」選手ってことがわかった。

一番ある意味バイエルンぽくなかったのはハリー・ケイン。ただそんなことはお構いないぐらい個人の力が高い。親の顔より見たケインのPK、サイドチェンジの高精度パス、屈強なポストプレー。もう見なくて済むと思ったんだけどな・・・

アルテタの迷采配と名采配

サネ対策に冨安の左サイドバックが大型のスタメン予想であった。しかし、アルテタが選んだのはキヴィオルだった。この采配自体に当初疑問はなかった。全くないと言ったら嘘になるけど、不自然ではない。

しかし、この采配は外れ、キヴィオルは2失点目のきっかけになってしまう。背を向けたサネに簡単に突破を許してしまう。

これだけでなく、全体的にキヴィオルの動きは重かった。1失点目のガブリエルのパスのズレもなんとかすれば届いたようにも見える。色々踏まえると、コンディションが全く整ってなかったかもしれない。

そこで疑問なのが、この大事な一戦で起用する予定のキヴィオルをその前の2試合で何故全く使わなかったのか。温存というにはあまりにも過保護すぎる。

結果論だけど、それなら冨安でよかったんじゃないかってなる。

後半からのジンチェンコの起用はビハインドの状況下で妥当な選択だけど、それにしても最近のジンチェンコは持ちすぎる。中でドリブル開始して、よかった試しないじゃん・・・

しかし、自らの迷采配は自らの名采配でケツを拭いたね。

66分から出てきたトロサール、ジェズスは鳴りを潜めていたアーセナルの攻撃の目を覚ました。

特にジェズスはドリブルが光り、得点シーンも含めて相手守備陣をかなりパニックに陥れていた。やはりCLのジェズスはロナウジーニョが憑依する、急に。

そのジェズスのドリブルから生まれたのはトロサールの貴重な同点ゴール。さすがの決定力、ポルト戦に続き、またしてもチームを救った。

さあ、議論の時間です

試合終了直前のプレー。トーマスのパス(パスミス)がバイエルン最終ラインの裏を取ったサカに渡り、ノイアーとの1vs1の局面に。ここでサカはノイアーを抜きにかかるが、サカは倒されてしまう。しかし、主審は笛を吹くことはなく、そのままプレーは続き、数秒で試合終了のホイッスルを鳴らした。

まず方々で言われてるのはサカの判断。抜くんじゃなくて、シュートを打つべきだったという意見。これはマジでどうでもいい。そんなの決められるって保証もないし、これは紙一重だから。

問題はもちろん何故ファールじゃないのか。おそらく審判団の言い分はサカがノイアーを交わした時の右足が、ノイアーの残した足に「当たりに行っている」というもの。

それはわかった、映像によってそうも見えるけど、別の角度だとそうは見えないのもある。

でもそもそもトップスピードでボールに向かって行って、その勢いのまま左足のアウトサイドで90度方向転換すれば、あのぐらい右足が浮くのは自然じゃない? しかも、ノイアーが出した足はサカの動線上にあるように見えるし。

それがなければ状況的にもサカはフリーで打てたし、PK貰いに行くはずがないんだよな。

元マンチェスター・ユナイテッドのファーディナンドは「あれはペナルティだ。信じられない。」と。

「100%PKだ!」と言っているのは元スパーズのファン・デル・ファールトだ。

試合に出ていたケインは「あれは50:50だったね。サカがチームメイトだったら、PKだったって言ってる。」とコメント。そりゃ敵チームならそう言うしかないけど、言い方的にやばいと思ったんだよな。

じゃあわかった。PKじゃないって意見もあるし、1兆歩譲って、PKじゃないとしても、アフターケアは杜撰だよな。まずVARでしっかり確認するべきだったろ。いつもダラダラチェックしてるくせに秒で終わったじゃねえか。少なくともオンフィールドレビューはするべき。怠惰としか言いようがない。

試合終了後の対応も最悪。当然サカは抗議に行くけど、「うるせえな、知らねえよ」ぐらいな感じの塩対応で、そそくさと帰ってったな。

なんだ? なんかケツあったのか? 審判団みんなでサイゼリヤ行こうねとか約束してたのか? 最悪だよ本当に。割と公正なジャッジしてたのに最後の最後で最悪だよお前ら。

とりあえずサカが抗議で退場になったりしなくてよかった。止めてくれたのはアシスタントコーチのスタインベルクですね。アルテタの隣によくいる白髪のイケおじです。

2nd legへ

もうこれ以上、アホどもに文句言っても仕方ないので切り替えましょう。

あんな激ヤバ判定あったなぁ〜www って笑えるように。

1st legのようには確実にいかない。あんなにボールを持たせてもらえないと思う。でももうここまできたらサポーターも含めて、バイエルンにビビってる場合じゃない。トラウマとか言ってる場合じゃない。

勝たなきゃいけないのはバイエルンも一緒。前に仕掛けてくる、そこを狙いたいな。ある程度攻めに来てくれた方がアーセナル守備陣も力出しやすいと思うし。

ただ、試合巧者のバイエルン・ミュンヘン。「経験値」という点ではアーセナルと大きな差がある。ここから先は経験がものをいう戦いになってくるから、一筋縄でいくはずがない。

今回とメンバーを変更、した方がいいかもなのは2箇所、必須なのは1箇所

変えても変えなくてもどっちでもいいのは、まず左のウィング。マルティネッリはまだケガからコンディションが上がってないように見える。ここにはジェズスを起用したい。最前も言う通り、CLのジェズスはキレキレで希望が持てる。

トロサールでもいいけど、彼は途中交代の方が活きるように見える。マルティネッリのスピードも途中からの方が相手にとって脅威になりそうだけど、ジェズスのテクニックも交代策にピッタシだから、ここはケースバイケース。

もう一つはジョルジーニョ。おそらく次戦はインテンシティの高い、スピーディな試合展開が予想される。そうなるとジョルカスの鈍足はウィークポイントになりかねない。ここはラマダン明けのトーマスに任せたいところ。懸念点はまだコンディションが万全ではなさそうなところ。

というよりもトーマスは逆に途中交代に向いてない気がする。先発起用されたルートン戦では好プレーを見せてたし、ここはトーマスに賭ける価値はあると思う。

変更必須なのはご存知左サイドバック。キヴィオルのこれまでの功績を否定したくないけど、彼はとりあえずここまで。ここは他の選手に任せよう。

さて、ここはやはり冨安健洋じゃないでしょうか。日本人贔屓が好きじゃない僕でもここはトミに託したいと思いますよ。これもオープンな展開になった時にジンチェンコの守備力では不安だし、バイエルンの攻撃の軸がサネってこともわかったから、彼を代表戦で封じた冨安ならなんとかしてくれそう。

ここ最近は攻撃面でも活躍が見えてきてるし、下手したら2nd legのキーマンかもしれない。

バイエルンで怖いのはミュラー。彼の経験がこういうとこで発揮されそう。

もう一つ、バイエルンに勝つために超重要なこと。

週末のプレミアリーグでしっかりビラに勝つこと!

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