2023-24 チャンピオンズリーグ 準々決勝1st leg vs バイエルン・ミュンヘン

いざ、7年ぶりのリベンジ

現地時間4月9日、チャンピオンズリーグの準々決勝の第一戦目が行われた。

アーセナルにとっては2010年以来のベスト8。さらにその相手は、これまで何度も辛酸を嘗めた天敵、バイエルン・ミュンヘン。さらにさらに、相手チームのエースは、昨年までノースロンドンのライバル、トッテナムに所属していたケイン。

14年ぶりのクォーターファイナルを戦う相手には不足なし、舞台は完全に整った。

バイエルンのサポーターは度重なる違反行為により、アウェイでの無観客処分を下され、エミレーツスタジアムではアーセナルカラー一色の6万人が集った。

ざっくりマッチレビュー

アーセナル 2-2 バイエルン・ミュンヘン

アーセナル

バイエルン・ミュンヘン

アーセナルは左サイドバックにキヴィオルが復帰。これが・・・ 左のウィングにはマルティネッリが選ばれ、あとはお馴染みのメンバー。

バイエルンは欠場の噂があったノイアーやサネが、はぁ、結局間に合いました(怒)

試合開始からアーセナル優勢の流れ。バイエルンはここ数試合の不調を引きずっているような立ち上がりだった。前半12分、右サイドの攻防の中で、ホワイトのパスを受け取ったサカが、左足からファーサイドに巻くコントロールシュート。名手ノイアーにも届かず、アーセナルが先制に成功する。

バイエルンは思うような試合運びができないでいたが、18分、なんでもないような(ロードみたいに言うな!)クリアをラヤとガブリエルの連携ミスでボールを失ってしまい、ショートカウンターの流れでゴレツカのパスに抜け出したニャブリがネットを揺らし、古巣相手に超コスパの良い同点弾を決める。

さらに31分、サネがハーフウェーライン付近の右サイドでキヴィオルを交わすと、そこから50メートルの独走、アーセナル守備陣を交わし、最後はサリバが倒してしまいPK獲得。これをケインがラヤの動きを見て冷静に沈め、シュート2本で逆転してしまう。

圧倒的有利なはずのホーム、シャバいミスで敗戦など許されるわけがないアーセナルはボールを握るも、ミスが目立ちゴールに迫れない。

それでも76分、トロサール→サカ→ジェズスとうまく繋ぐ。この9番が巧みなタッチでDFを翻弄し、横パス。これをトロサールがダイレクトで流し込み、ようやく同点。

試合終了間際には、エリア内に飛び込んだコマンのシュートがポストに直撃し、心臓が一瞬止まってしまったが、スコアは動かないまま試合終・・・いや、最後に物議を醸すこの試合最大の事件と同時に試合終了。1st legは引き分けに終わった。

7年で埋めた、世界との大きな差

7年前に2試合合計2−10で負けた時に感じたことは、アーセナルは最早この世界最高の舞台に立つ資格はないということだった。同等だと思っていたクラブは遥か先のレベルにいた。

紆余曲折あったが、チームを根本から立て直しようやく戻ってきたチャンピオンズリーグ。正直グループリーグの組み合わせは、そのレベルにあるものではなかった。苦戦はしたものの、ポルトも同様。

もちろんプレミアリーグでも、リバプールやマンチェスター・シティは世界でもトップ5には入る力のあるクラブだ。シティに至っては昨季のCL王者、世界との差を確かめるにはこれ以上ない相手と毎年できている。

しかし、チャンピオンズリーグは普通のリーグ戦とはまた違う雰囲気がある。ましてや、バイエルンは7年前に現実を打ち付けてきた張本人だ。アーセナルの成長を測るなら、これしかない。

結果はさておき、さておきたくないけど、とりあえず! 総合的にバイエルンと同等ぐらいのチームに戻れていたと感じた。少なくとも欧州のベスト8にいて遜色はない。

この試合でも徹底的にマークされていたサカはそれを物ともせず、試合を通してスーパーだった(最後のアレは後ほど・・・) 先制点のシュートは見事で、利き足は違うがアーセナルのレジェンド、アンリを彷彿とさせる見事な外巻きのコントロールショット。

世界最速の選手の一人、アルフォンソ・デイビスにもドリブルを仕掛け、イエローカードを誘発。デイビスの次戦出場停止はサカの大きな貢献だ。

また、我らがキャプテン、ウーデゴールは攻守に走り回り、特に守備面で献身的なプレスバックでピンチを防いだ。この二人は異彩を放っていただろう。

もちろんまだ2nd legがある。アリアンツ・アレーナ(バイエルンの本拠地)ではボコボコにされるかもしれない。しかし、こと1st legに限って言えば、欧州のトップクラブとしてこの舞台に立つ資格は取り戻したと・・・まぁミスはどのチームにもあることだから。

とにかく、自信持っていいと思う! 3−0で勝てる試合だったからね。

ターニングポイント

もしかしたら、アーセナルがバイエルンを超えていたのは前半の15分までだったかもしれない。

いや! たった一行前になんつったよお前!

あくまで7年前の悲惨な状況と比べたら、という話でこの試合の総合的なパフォーマンスは決して高くはない。いつもはソリッドな守備陣もどこか集中力に欠け、2失点とも避けれるものだった。

アーセナルの1失点目。確実にマイボールにできるルーズボールを何故かかなり前に出てきて処理しようとしたラヤに、ボールを回収したガブリエルが戸惑い、両者の距離感が悪くなったことでバックパスの選択肢がなくなってしまった。

何故出てきたラヤ・・・だからラムズデールが所望されちゃうんだよ・・・最近のラムズデールもミスしがちだけど。

無理に前に繋げようとしたことからズレが生じ、失点の原因になってしまった。

前述の通り、立ち上がりのバイエルンはここ最近の不調を感じさせるものだったが、この失点が彼らの回復薬になってしまった。

しかし、試合のターニングポイントはその前のアーセナルの絶好期にあったと思う。

16分、相手のクリアを拾ったハヴァーツが絶好の位置にいたホワイトにラストパス。あとは決めるだけのホワイトのシュートはノイアーの正面に飛んでしまい、決定機を逸してしまう。

たらればが厳禁なのは承知しているが、これが決まっていたら、バイエルンの戦意をかなりへし折ることができていただろう。DFのホワイトに決定力を要求するのは酷かもしれない。しかし、このレベルの試合ではこういったミスが命取りになる。

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