ユーロ2016王者
コロナ禍迫る直前の冬の移籍市場。エメリを解任しアルテタに託したアーセナルは当時成績不振や売却下手の影響でお金がなかった。
そのアルテタの初めての移籍市場でやってきたのが、セドリック・ソアレス。
当時右サイドバックはベジェリンしかいなく、その彼も伸び悩みに直面していて右サイドバックの補強は急務だった。
セドリックはサウサンプトンにいたからなんとなく知っていた。なんかチャーリー・オースティンによく決められてたけど、アシストがセドリックみたいな試合もあった気がするし。
そして何よりユーロ王者の肩書き。ベジェリンの体たらくから、アーセナルを救ってくれる期待感はあった・・・が!
まさかの移籍後試合にも出ずに負傷。ちょっと前にもそんなスウェーデンストレームいたなぁとか思いながら。とりあえず残念でした。
期待値爆上がりデビュー
負傷で試合に出られないまま、世界的なコロナウィルスの大流行により、プレミアリーグも中断を余儀なくされた。
そして無観客でのリーグ戦の再開後、セドリックがデビューしたのは移籍から半年経った7月になった。
そのデビュー戦、77分から登場すると4分後に初ゴールを挙げ、最高の滑り出しを見せた。
財政難からローン移籍だったが、2020-21シーズンから完全移籍で正式にアーセナルの一員となった。
持ち前のキック精度で主力に定着はするが、その実力には限界が見えた。
2021年夏にアーセナルは右サイドバックに冨安健洋を獲得すると、出番を減らした。しかしご存じスペ体質のトミー。そのシーズン後半戦を怪我で棒に振ると、その穴をセドリックが埋めることになった。
頑張ってはいるんだけど、確実にチームの弱点になっていた。翌シーズンにはホワイトが右サイドバックにコンバートされ、セドリックをピッチで見ることはレアになった。
エルネニーとセドリックが愛される理由
実力はまぁあれだけど、チームメイトからもサポーターからも愛される魅力がセドリックにはあった、らしい?
自分はセドリックのプレー面しか着目してこなかったけど、新加入選手や若手への手厚い対応はその人柄の良さを表していた。
AmazonのAll or Nothingではラカゼットと口論になっている様子が有名だが、ラカゼットが練習中に若手に対してハードなタックルをかましたことに不満を述べたことから始まっている(その後和解)
そんなところもちゃんと目を向けたらよかったなってちょっと思う。
エルネニーにも言えることだが、出場機会を得られない状況でも不満を一切漏らさず、自分たちが今できることに尽力する。そのプロ意識に心を打たれるのだ。
実は今季CLでバイエルンに負けた後、士気が下がらないようにアルテタはエルネニーとセドリックにトレーニングでチームを鼓舞する役割を与えた。
その後の残り試合は全勝。従来のアーセナルならそのまま大失速していたと考えると、この素晴らしいシーズンに影ながら大きく貢献してくれていた。
セドリックのコメント
なんていうチーム、なんていうクラブなんだろう!!
僕がチームと言っている時、全ての選手のクオリティ、みんなが示すプロフェッショナリズム、そして素晴らしい人間性が、まさにそれを意味しているからだ。本当にありがとう!
僕がクラブという時、それは最高レベルで戦うことを可能にするためにピッチ内外で常に懸命な時間を費やしている全ての部門、全てのスタッフを意味する
そして全てのファンのみんな、本当にありがとう!あなたたちは、いつでも僕の心の中の特別な場所にいる!
Cedric Soares
二人はコーチのライセンスを取得している。その前にプレイヤーとしてのキャリアもまだ終わっていない。
エルネニー、セドリック、二人の輝かしい残りのキャリアを心から願っている。